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アイスクライミングセクション(MSS):(2)アイスクライミング入門

濃厚な1日目のオリエンテーションを終えて、2日目からは実践が始まります。2日目と3日目はローカルでのアイスクライミングを行い、4日目は座学として雪崩について学び(AST1)、その後、6泊7日のジャスパーでのアイスクライミング合宿へと移行します。ジャスパーでは雪崩地帯をアプローチで通ることになるため、ここで雪崩の基本を学ぶようになっています。

ローカルでのアイスクライミングはまさにアイスクライミングを始めるためのファーストステップとして素晴らしいカリキュラムであったと思います。

今回はこのローカルでのアイスクライミング入門とも呼ぶべき内容について振り返りたいと思います。

アイスクライミングセクション(MSS):(1)オリエンテーションとアイゼンワーク

2018.07.21 2018.07.25
注意
すべての記述は私の体験と感想であって、紹介する技術や意図などは誤りである可能性があります。自身で試そうと考えている場合にはこれを妄信せず、妥当性を検証し、確信をもって臨むことをおすすめします。

2日目:アイスクライミングでの足の動かし方とAフレームの作り方

教室で集合し、まずはミーティングから始まります。昨日の講習ではアイスクライミングでのリスクについて総合的に学びました。今日は、そのリスクを計るべく、天気の調べ方について実際のウェブサイト等で見ていきました。

天気予報を確認する

山に入る場合、天気予報を確認するのは日本でもカナダでも同じです。

カナダでは政府系の天気予報ページがよく使用されているようです。https://weather.gc.ca/にアクセスし、天気予報の見方を確認していきます。

行く山域の気象台を選択する

キャンモアの場合、一番近くの気象台はバンフ(Banff)になります。右上の検索窓で気象台の名称を入れるとその気象台の天気のページ(Banff, AB – 7 Day Forecast – Environment Canada)にアクセスできます。

右上の検索ボックスからエリアを入力します。

なお、近くの気象台が分からない場合、右上の “Access City” から行こうとしている地名を入力すると最も近くの気象台の天気を表示してくれます。自分で気象台を選びたい場合には、Local Forecastsから州を選択すると地図ページが表示されるため、そこから確認しておきたい気象台を選択することができます。

地図中の名前をクリックすると対象の気象台のページに遷移します。

ちなみに、ロッキー全体としては、バンフ以外にジャスパー(Jasper)があるため、ロッキーに入るときにはこちらもチェックしておくと良いかと思います。

天気の概況と傾向を把握する

予想情報のほか、気温や湿度、風速、気圧などの基本的な情報が確認できます。気圧の傾向は、”Past 24 hours” から1時間ごとの変化を確認することができます。

夏の場合には雨や落雷の可能性が気になるところですが、アイスクライミングを行う冬の場合、気温と風の強さに特に注意が必要です。装備に影響が出るほか、気温が高すぎる場合には雪崩の危険性も高まります。冬のカナダは寒いと-20度以下になります。これで風が強いと体感気温はさらに下がるため、アイスクライミングどころではなくなります。

傾向で一番気にすべきは気圧の変化です。気圧が高くなっているトレンドであれば天気は回復傾向にあり、低くなっているトレンドであれば天気は悪化傾向にあります。このあたりの判断は日本と何ら変わりありません。

風速は日本ではメートル毎秒(m/s)が使用されていますが、こちらでは車と同じキロメートル毎時(km/h)が使用されています。目安としては風速が15km/h(4.16 m/s)以下であれば穏やかであると考えて良いと言われました。

気圧の変化は”Pressure”を見ます。この日の気圧変化はほぼなく、安定していることがわかります。

現場での講習

この日は天気も概ねよく、問題なさそうでした。車で20分程度、到着後歩いて20分程度の場所にある “Grassi Lakes” です。

斜度は全体としては60-70度程度。はじめだとちょっと緊張する斜度です。荷物を置き、ヘルメットとハーネス、アイゼンを装着します。

現場に行く途中の登山道からキャンモアの街が一望できます。後ろのロッキーも含め、素晴らしい景色です。

ビレイ方法の確認

クライミング自体が未経験の生徒もいるため、まずはビレイの方法から確認していきます。トップロープでのセッティングになるため、操作自体は単純です。ヤムナスカからはATCが貸与されるため、ATCの使い方を確認していきます。寒く、またロープは濡れると伸びやすくなるため、基本的にはかなり張り気味でビレイします。

最初は不安が残るため、3人1組になり、クライマー、ビレイヤー、ビレイヤーのロープを掴む人(ロープが流れた場合に止める人)の役をそれぞれ行うことになりました。

クライミングの開始から終了までの流れを確認

つぎに、クライミングの開始からビレイを解除するまでの流れを確認していきます。お互いがセッティングをしたら、まずはお互いの状態に問題がないかを確認していきます。

クライマーに対する確認

基本的には上から下に向かって確認していきます。

  • ヘルメット ➔ ゆるくなっていないかを確認
  • ハーネス上部 ➔ 腰はしっかりしまっているか、上着がハーネスから出ていないかを確認
  • ハーネス前面 ➔ タイインループにロープが通っているか、適切な結び目となっているかを確認
  • ハーネス背面 ➔ ねじれはないか、上着がハーネスから出ていないかを確認
  • レッグループ ➔ ねじれはないか、適切なサイズ感となっているかを確認
  • アイゼン ➔ 外れそうになっていないかを確認

ちなみに、ハーネスには日本同様、フィギュアエイトフォロースルーで結線しますが、こぶし二つ分が残るようにし、末端処理はしません。適切なロープのあまりがあれば末端処理は安全に影響を及ぼさないことが確認されているためです。

ビレイヤーに対する確認

基本的にはATCの確認です。クライマー側のロープが上から入っているかを確認します。また、ロックがしっかりと締まっているかを確認します

さらに、外の場合、足場の問題もあるため、アイゼンが外れそうになっていないかは確認しておくべきだと思います。

コマンド(掛け声)を確認

問題がないことが確認できたら登り始めます。まず、ビレイヤーがロープを引き、クライマー側のロープがきちんと張られたら「オンビレイ(On belay)」。準備が整ったことをクライマーに伝えます。

クライマーの準備が整い、登り始める状態になったら「クライミング(Climbing)」とビレイヤーに伝えます。これに対し、ビレイヤーは「クライムオン(Climb on)」と応え、準備ができていることを伝えます。

順調に登っているときは特にコミュニケーションはなく、ビレイヤーはひたすらたるみのないようにロープを巻き取っていきます。

クライマーが休みたい、または終了点まで達した場合には「テイク(Take)」。これに対し、ビレイヤーはロープを可能な限り巻き取り、引っ張られない体勢をつくり、「ゴット(Got)」と応えます。

下ろしてほしいときには「ローワー(Lower)」とビレイヤーに声をかけます。これに対し、「ローワリング(Lowering)」と応えてクライマーを下ろします。

安全なところまで下ろしてもらい、足場も安全であることが確認できたらクライマーは「セキュア(Secure)」と伝え、ビレイヤーからも安全に見える状況では「オフビレイ(Off belay)」と伝えてビレイを解除します。

英語でのコマンドは国や人によって変わりますが、ヤムナスカではこのコマンドで行なっていました。英語でのコマンドの方がシンプルかつ明確なのでやりやすいです。個人的には今も英語のコマンドを使い続けています。

この日のゴール

基礎的なことを確認が終わり、やっと登り始めます。今日の目標はアイスクライミングの基本体勢である「Aフレーム」を作るところです。

Aフレームは、足を左右に広げ、手は体の中心付近にあるような姿勢で、アルファベットの「A」のような見た目になることから “A-Frame” と呼ばれます。体を安定させ、また、アイスアックスが振りやすい体勢であるためです。アイスクライミングでは、基本的にはこのAフレームを基本姿勢として、少しずつ登りながら再びAフレームになるようにします。

足は少しずつ上げていきます。フリークライミングよりもかなり一歩ずつのイメージです。目安としては、ふくらはぎの半分程度です。Aフレームからはじめた場合、片足をふくらはぎの半分ほどまで上げて、反対の足をさらに同じように先にあげた足のふくらはぎの半分ほどの高さまで上げ、最後に最初に上げた足を反対側の足の高さと同じ高さになるように上げていきます。結果としては、膝の高さ分程度上がるぐらいですね。

足を上げたら立つように体を持ち上げます。体が上にあがったら再び足を上げていきます。基本としてはフリークライミングと同じです。ただ、フリークライミングでは常に足で上がって行くことは難しくなりますが、アイスクライミングの場合にはどこでも蹴り込めるため、基本通りに進めることが比較的多いかと思います。

左の人のように、足は左右に開き、手は肩のラインにあるのが基本的なポジションです。右側の人のように足を上げすぎないように気をつけます。

なぜ足を一気に上げてはいけないのか?

まず、何よりも高いと蹴り込みにくくなるからです。膝を支点として蹴り込むため、あまり高いと蹴り込みづらくなり、結果としてちゃんとした足場が作れなくなります。そのちょうど良い高さがふくらはぎくらいの高さなのです。

また、片足だけ高くなると、高い足は踵が上がった状態になりやすくなるため、結果的に足が抜けやすくなります。立ち上がろうとして、踵が下がったときに抜けると最悪です。その意味でも足を高く上げることはリスクにもなります。

もちろん、少し上に良い状態の氷がある場合には少し高くても上げてしまうこともあります。あくまでも同じような条件なら足を上げすぎないということです。

練習の流れ

まずはAフレームを作りながら、手には何も持たず足だけで登ります。うまい人であれば、80度ぐらいまではアックスなしで登れるみたいです。この日は60-70度のため、なんとか登れますが、ところどころ垂壁に近くなるところではついつい手で登りそうになってしまいます。ただ、足で登る練習は体の動かし方の練習として、足の大事さが分かるという意味でとても良いと思います。

足で登ることに慣れてきたらアックスを1本だけ使い、登り始めます。腕を下ろした状態からまっすぐ上の方向に腕を上げ、肘が自分の顔の高さぐらいの振りやすい高さが基本です。打ち込んだら両手でアックスを掴み、足を先ほどまでの要領で上げていき、最後に立つように体を持ち上げます。アックスは手前方向に力をかけると抜けてしまうため、登るときはぶら下がるように下方向に力がかかるようにします。

これを色々なルートで試し、Aフレームを作れるように練習を続けます。

その他の知識の習得

練習が一段落した午後の終わり際に、アイススクリューの使い方とトップロープでのアンカー(支点)の作り方を学びました。

また、最後にロープの束ね方を学びました。普通のコイル巻きです。毎日・毎回のように巻くと自然と身体が覚えてくれます。

アイススクリューの使い方

アイスクライミングでは、中間支点、トップロープでのアンカー、終了点など、あらゆる場面でアイススクリューを使用します。どのような位置でどのようにアイススクリューを使うのかということについて、まずは導入部として基本的な事項を教えてもらいました。

場所の選択

アイススクリューはもちろん氷に刺しますが、氷にも弱いところと強いところがあります。崩れないようにするためにも、なるべく強いところを探して刺すようにします。

基本的には出っ張った形状(凸型)形状は避けましょう。崩れやすく、スクリューごと崩落してしまう可能性があります。凸型の部分に刺すときは、先にクリーニングを行います。凸状の部分をガンガンアイスアックスのピックで叩き、平になるまで氷を壊していきます。

良い形状になったら刺す部分から半径10cm程度も綺麗に整えましょう。アイススクリューのハンドル部分を回したときにぶつからないようにするためです。

刺す方向

アイススクリューは基本的に氷に対して垂直に刺すようにします。そこまで厳密に考える必要はありませんが、上下左右ともなるべく角度がつかないようにすると綺麗に刺さります。そして抜けにくくなります。

刺し方

まずはアイススクリューのハンドル側を掴み、木ネジを板にねじ込むときのように力でねじ込んでいきます。手を離しても刺さっているような程度、3周程度ねじ込んだらハンドルを出し、ハンドルを回して最後まで刺し切るようにします。奥まで刺したらハンドルは収納します。

ここで気をつけるべきは、ハンドルの穴が下になるようなポジションで止めるということです。この穴にクイックドローなり、カラビナなりをかけるため、上で止まっていると力がかかったときに動いてしまい危険です。そのため、力がかかる方向(通常は下方向)になるような場所で止めるようにします。ハンドルを回していき、穴が上で止まってしまったような場合には半周戻して穴が下になるようにします。

また、ハンドルを回しているときは常に氷を掻き進んでいる感覚が得られているか確認しましょう。空回りする部分がある場合、その部分は溶けていたりもするため、その場合、強度は当然弱くなります。

逆に、進まないぐらいの強いところに当たったらそれ以上回さないようにしましょう。石や岩などの可能性があります。岩に強い力で押し付けるとアイススクリューが壊れてしまうこともあります。

なお、石や岩がないときでも進まなくなることがあります。アイススクリューの内部で詰まっている場合です。

刺す前に気をつけること

アイススクリューを刺す前には内部が詰まっていないことを確認しましょう。その日一回目に刺す場合は何も詰まっていなくても、一度刺したアイススクリューを改めて刺す場合、刺した時の氷が詰まっていることがあります。一度詰まった氷は凍ってしまうとなかなか外せなくなるため、アイススクリューを抜いた時にハンドル側をアイスアックスのハンマー部分に叩きつける、氷壁に叩きつけるなどして内部の氷がすべてなくなっていることを確認してからアイスツールに収納するようにしましょう。

トップロープ用のアンカーの作り方

トップロープの支点を作る方法は色々な方法がありますが、まずは一番簡単なアイススクリューを2本使う方法を学びます。

アイススクリューは2本使用します。2本使用するのは冗長性(redundancy。2本あれば、1本が抜けてももう1本あるので大丈夫。)を確保するためのものであるため、氷が弱そうなところでは3本にするなど、より多くの本数でも問題はありません。それぞれのアイススクリューは30cm以上離れている場所に刺します。理想は横方向に少し高さを変えたような位置です。

支点の作り方については後のロックセクション(フリークライミングのセクション)でみっちりやるため、ここではそんなに深くはやりません。主として基本的な考え方だけを学びます。

横に並べるのはなるべく両方のスクリューに均等に力がかかるようにするためです。高さをずらすのは、氷が割れるときには真横に割れることが多いため、何らかのショックが加わった時に両方のスクリューが落ちてしまわないようにするためです。ただ、これはそこまで重要な点ではないため、真横の方が氷の形状・状態が良いようであれば無理せず、真横に刺した方が良いかと思います。

アイススクリューにカラビナをかけ、120cmのスリング(ショルダースリング)をかけ、固定分散となるように結び目を作り、結び目の先に出来たループに互い違いになるようにロッキングカラビナをかけます。

互い違いにするのは、ゲート部分が一番カラビナの中で弱い部分のため、同時にその部分に荷重がかからないようにするためです。

アイススクリュー側にロッキングカラビナを使用しないのはやりすぎ(over-kill)だからです。もちろん、ロッキングカラビナを使用してはいけないわけではありません。ただ、支点側のカラビナは常にスリングがロープの重みで引っ張られている状況のため、動く可能性が低い部分です。そのため、ロッキングカラビナを使用しなくても不意に外れてしまう可能性は極めて低いため、より軽い装備、セッティングが簡単な通常のカラビナの方が適切と考えているようです。

このような安全性と装備の軽量・セッティングの簡略化(=時間短縮)は、確保すべきような場面では常に出てくる問題です。場面や状況、スキルレベルによってもこの判断は常に変わるため、考え方をしっかりと身につけ、毎回適切に判断してこの判断力を身につけていくことが重要だと思います

3日目:ダブルアックスでの登り方

3日目は同じくローカルで少し南にある “Kananaskis” でアイスクライミングをしました。昨日よりは斜度がきつくなり、80度から場所によっては90度以上のオーバーハングの場所もあります。

この日のテーマはダブルアックスでのアイスアックスの振り方と持ち替えです。

練習の流れ

この日もトップロープで二人組になって行います。

ダブルアックスの場合、右手と左手のアイスアックスを打ち込む位置は少しずつ高さがずれるのが通常です。左右に広げすぎるとバランスが悪くなるので、基本は肩の広さで収めるようにします。

まず片手を打ち込み、それよりも少し高い位置、目安としてはアックス1個分程度のところに反対側の手を打ち込みます。体重を下方向にかけても安定していることを確認したら、足を上げていきます。この安定していることの確認は重要です。

足を上げたら立ち上がり、下側のアックスから引き抜き上に打ち込み、次に反対側のアックスを引き抜き、より高いところにアックスを打ち込みます。この繰り返しでどんどん登っていきます。

まっすぐ直上する場合にはこの繰り返しで問題ないですが、左右に動く場合にはアックスの持ち替えが重要なテクニックとして必要になってきます。

例えば、右斜め上に上がって行く場合、右手を打ち込んだ後、左手を右上方向に打ち込むのは顔の前に腕をクロスするような体勢となるため、とても不安定です。このような場合、右手で打ち込んだアックスを左手で持ち、左手のアックスを右手に持ち替え、改めて右手で右上に打ち込みます。フリークライミングのマッチと流れは同じです。

やってみると意外に戸惑うため、練習が必要な技術だと思います。

体勢に気をつける

ダブルアックスになり、やっとまともなアイスクライミングになってくると体勢を注意されることが多くなってきました。

アイスクライミングの動画をみると一目瞭然ですが、基本的に下半身は壁に近づけ、上半身は反らせて、腕を伸ばし、壁から離すのが基本です。足を上げるときは手にぶら下がるような体制になりますが、このときもちゃんと体は壁から離し、足を蹴り入れやすい体勢を作ることが重要です。

腕を伸ばす、体を反らす、踵が上がらないようにする、氷に対して垂直に蹴り込む。このようなポイントは常に気をつけるようにしましょう。

昨日習ったアンカーを作る

前日作ったアンカーを復習がてら実際に作りました。表面をきれいにするところは想像よりも思いっきり力を込めて表面を壊していく必要がありました。

さらに、昨日のものをさらに発展させ、より安全度の高い方法についての説明がありました。例えば、天気が良い時などは気温の上昇により、アイススクリュー付近の氷が溶け、結果的にスクリューが緩みやすくなるため、バックアップを取るための手法として、3本目のスクリューを刺し、クイックドローをかけ、それをメインロープにクリップするという方法です。

この場合、クイックドローにはロープの荷重がかからないようにします。そうするとこのスクリューには通常は荷重がかからない状態となり、他の2本にのみ荷重がかかる状態となるため、この3本目だけが氷に負荷がかからない状態となります。もしこの状態でメインの2本が抜けても3本目のクイックドローがロープを止めてくれる可能性があるため、これがバックアップとして機能することになります。もちろん、この状態になれば、メインのアンカーが壊れたことがショックで分かるため、すぐに下までクライマーを下ろし、改めてアンカーを作りなおすようにします。

また、スクリューが抜けてしまいそうなときにはブイスレッド(V-thread。日本語ではV字スレッドよりも、アバラコフと呼ばれることが多い模様)を使うのもありです。作り方は下記を参照してください。前半部分ではアイススクリューの刺し方についても解説されています。イメージがわかなかったようであれば、前半部もぜひ見てください。

ブイスレッドはかなり強く、長いアイススクリューで作れば溶けにも強いため、ふたつ支点をとるときにひとつはブイスレッドで作ると安心感があります。また、途中敗退するような場合や回収の場面でブイスレッドがあると、何も残置することなく降りることができるため、特にアルパインなどでは重要なテクニックです。

作るのに時間がかかりがちであるため、ひとつあたり2分で作れるようになれと言われ、だいぶ練習し、慣れた頃には1分強で作れるようになりました。

練習を終えて合宿の準備

ローカルでの練習はこれで最後となり、1日雪崩の基礎知識を学ぶAST1を挟み、翌々日から6泊7日のアイスクライミング合宿が始まります。その準備のためのミーティングをオフィスに戻って行いました。

泊まるのはキャンモアから北に200kmほど、ジャスパー(Jasper)にある “Rampart Creek Wilderness Hostel” です。冬も営業しており、アイスクライミングの愛好家には有名なホステルのようです。

キッチンと水、きれいなトイレもあるため、快適に滞在できます。電源は限られているため、モバイルバッテリーを持って行く必要があります。電波はどのキャリアのものも入りません。お願いすれば、衛星通信のWi-Fiに繋がせてもらえます。ただ、時間は非常に限られているため、あまりあてにしない方が良いでしょう。

その他持って行くべきものは日本の山小屋と同じです。ただ、寝具は完備のため、寝袋は不要です。助かります。

セメスター中は主にこのバンで移動します。アックスなどの荷物は後ろのわずかなスペースに詰め込みます。

2日目・3日目を終えて

やっとアイスクライミングっぽくなってきました。毎日みっちり登るため、意外と疲れが溜まります。4日目は座学のためレストとなりますが、そのあとはまた6泊7日でひたすらアイスクライミングとなるため、かなり不安になってきます。

実際、かなりつらいですが、このあとも毎日変化があるため、とても楽しいです。
次回からはジャスパーでのより本格的なアイスクライミングがはじまります。

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