- 日程
- 2016年7月上旬(日帰り)
- 天気
- 晴れ
- コースタイム
- 8時間 15分(13.1km)
- 実測タイム
- 5時間 40分
- タイム乖離率
- 69%
- 装備
- 夏山日帰り装備(30L・6kg)
- 交通手段
- 自動車・たかね荘駐車場(無料)
山でも季節は完全に夏となり、3,000m級の山にも気軽に入れる季節となった。個人的には大好きな八ヶ岳。実は冬に行ってばかりで夏の赤岳は行ったことがなかった。冬にはほとんど人が入らない真教寺尾根と県界尾根。岩場の長い登りが続くため、夏でも人は少なめということもあってこのコースを選んだ。
登山口は八ヶ岳の南東方向にあるため、東京方面から行く場合には車の時間も 30分ほど短縮できる。高速道路が混みやすい夏の時期には嬉しい。
目次
たかね荘からスキー場へ
駐車場から、まずは羽衣池に向かって進む。地図でみると入り組んでいるように見えるが、現地では案内ポストが多くあるため、思ったよりも迷わず進める。スキー場を目指して歩いていくと羽衣池の先からは登りがはじまり、ここからが実質的な登山のはじまりだ。背の高い草に囲まれた登山道は他の八ヶ岳の登山道とは趣が異なっており新鮮な気持ちで歩くことができた。森の中ということもあり、日差しもほとんど届かず、涼しさを感じながらのウォーミングアップとなった。
スキー場の上はソファーが置かれており、観光スポットとなっているようであった。リフトはまだ動く時間ではなかったため、誰もいない中、きれいに広がった雲海を楽しんだ。
スキー場から牛首山へ
スキー場から数分行くと賽の河原だ。賽の河原からは富士山や南アルプスがよく見える。登山道は鬱蒼とした木々の中を歩く八ヶ岳らしい道になっていく。牛首山までの登山道は比較的緩やかで歩きやすい道が続く。
牛首山は特に展望もなく、山頂から権現岳がかろうじて見える程度だ。ただ、ベンチもあるため休憩には適している。ただ、この日の牛首山にはあぶが多く、止まっているだけでものすごい攻撃を受けるため、まったく休めなかった。夏になって薄着になり、荷物も軽くなったのは良いが、虫の攻撃には弱くなるのがつらい。ここまでしつこく攻撃を受けたのは初めてだ。
牛首山から権現岳分岐へ
ここからが真教寺尾根だ。地図で見るときれいな一本道になっているが、実際の登山道もほぼ一本調子でひたすら進むだけの登山道だ。牛首山から先は平坦な道が続き、途中から一気に斜度がきつくなり、やがて岩場となる。
斜度が上がって行く過程で徐々に景色がよくなっていくのも楽しみのひとつだ。
長い鎖のある大きな岩が見えてきたら鎖場の始まりだ。岩場の岩は掴みやすいところが多く、濡れているといったような不安要素がなければ鎖に頼る必要はないだろう。また、足場も広くしっかりしているため、特に危険を感じることもない。半分ぐらいまで登ると、振り返り見る景色に思わず声が出る。
なお、岩場自体はそんなに不安はないものの、登りだけではなく下りで真教寺を使用する登山者も少なくないため、落石やすれ違いには注意が必要だ。
真教寺尾根から横に見える権現岳の稜線は雄々しく美しかった。見上げていたこの尾根を見下ろす頃に、だいぶ登ってきたのだと実感できる。
権現岳分岐から八ヶ岳の主峰赤岳へ
岩場を上り詰めた、権現岳側の尾根と合流するところが権現岳分岐となる。分岐からは阿弥陀岳も見えるようになってくるため、さらに景色は素晴らしいものとなってくる。残念ながら雲も上がってきてしまったため、ところどころ周りが見えなくなってきたが仕方ない。
赤岳への道は尾根沿いにトラバースするところが増えてくる。このあたりも岩自体は掴みやすいが高度感があるため、先ほどまでの岩場よりも少し怖さを感じた。
トラバースの一番最後が文三郎尾根との合流部分だ。ここから一気に人が増えるため、すぐわかるだろう。合流から山頂まではものの 5分ほどの距離であるため、すぐに到着する。
山頂は人でごった返していた。山頂で写真を取り、早々に山頂から少し離れたところに移動し、横岳と阿弥陀岳を見ながら昼食をとった。この日は風も強くなかったため、山頂で気持ちよくゆっくりとした時間を過ごすことができた。
赤岳頂上山荘から赤岳天望荘分岐へ
下りは赤岳頂上山荘の脇から出ている県界尾根を行く。県界尾根は入ってすぐから鎖が続く。斜度自体は真教寺尾根よりもありそうな印象を受けたが、こちらも掴みやすい岩が多かったため、特に不安を感じることなく降りることができた。
県界尾根の道は横岳と杣添尾根を眺めながら進むことができ、この景色もまた美しい。杣添尾根も真教寺尾根のようにまっすぐな姿が印象的な尾根である。残雪期に登った杣添尾根を思い出しながら歩いた。
↓関連: 横岳・硫黄岳(杣添尾根)/横岳(奥の院)から枯木帯へ下る
赤岳天望荘分岐から大天狗へ
分岐からも少し鎖場が続くが、道が平坦になったらもう危険なエリアはすべて終わりだ。あとは八ヶ岳らしい樹林帯をひたすら進む。大天狗は特に何かあるというようなところではない。
大天狗から小天狗分岐へ
大天狗から先も長く緩い下りが続く。道は分かりやすいため、特に心配することもない。小天狗は少しひらけた広場となっており、座れるぐらいの大きな石があるため、少し疲れていればここで休んでも良いだろう。
小天狗から 1分ほど行ったところが分岐点でたかね荘(清里)方面はここで降りるので通り過ぎないように注意が必要だ。
小天狗分岐から登山道入口へ
小天狗分岐からは一気に下る。県界尾根は下るときと平坦のときの差がとても激しい。全体として距離も長い尾根でここまでの平坦な道で緊張も切れがちなので転ぶことのないように気をつけたい。
下りが終わると大きく左にカーブして登山道の入り口に出る。
登山道入口からたかね荘へ
ここからは砂利の林道が20分ほど続いた後、コンクリートの車道歩きがさらに20分ほど続く。つまらない区間だがクールダウンと思ってゆっくり歩こう。なぜか車道で何度も足をくじいてしまい大変だった。
山行を終えて
夏は混雑する赤岳の、そのほとんどの部分で人が少なく八ヶ岳を存分に楽しめた。周回しやすいコースというのも良い。序盤の羽衣池付近の草の中を歩くのも今までの八ヶ岳と違った印象で八ヶ岳の多様さを再認識できた。岩場も楽しく登れるレベルであり、北アルプスにチャレンジしたい人の練習としても良いのではないかと思う。
- 静かな八ヶ岳を楽しめる
- 分かりやすい道
- 周回しやすい
- 安全に楽しめる岩場
- 抜群の景色
- 岩場が長い
- 全体の工程も長い
- 森林限界以上の部分が短め