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登山用の地図はどこで手にいれるのか?有料・無料の地図やアプリを紹介

登山をする場合、通常は地図が必要です。必要というよりは持って行くべきです。登山用の地図には色々な種類があります。

地図は多様化しており、紙の地図はもちろん、スマートフォンで使用できるアプリや専用の小型端末でみるものもあります。それぞれのメリット・デメリットを理解して自分にあった地図、山にあった地図を使うことが重要だと思います。

山と高原地図を買う

おそらく一番有名な登山用の地図は「山と高原地図」でしょう。山と高原地図は50年以上の長い歴史があり、特にきつくより険しい山を志向する登山者を中心に愛されています。それなりに人がいる山頂では少なくとも一人はこの山と高原地図を広げて山座同定をしていることでしょう。

山と高原地図は、B2サイズのカラー・写真入り、防水加工された破れにくい紙質の地図で、地図が見やすくなるための工夫が随所にされています。61エリアに分かれており、日本全国1,500座の山々をカバーしています。日本百名山は山と高原地図ですべてカバーされています。

登山用品店や書店、Amazon等で購入することができます。1エリアあたり1,080円です。

山と高原地図アプリ

山と高原地図アプリは、iOS/Android向けのアプリです。アプリ本体は無料で、高尾山のみが見られるようになっており、見てみれば大体の使い勝手はわかると思います。エリアの分け方は紙版と同じでアプリ内課金で購入できます。

課金方法は2種類あり、各エリアを500円で購入するか、1ヶ月あたり400円を支払うかを選べます。後者の場合は常に最新版が使用できるというメリットがあります。夏しか山に登らないという人は良いかもしれません。前者の方は通年で登る人や登るエリアが決まっている人にはおすすめです。

紙版との一番大きな違いはスマートフォンのGPSを使用できる点です。地図上で自分がどこにいるかが分かるため、特に初心者にはわかりやすくなっています。天気が悪く山座同定ができない場合などでも現在地が分かるというのは大きなメリットです。

私はこのアプリを愛用しており、ほぼすべてのエリアを持っています。アプリの良いところはいつでも持ち歩けるという点も挙げられます。通勤時や空いた時間にどの登山道にするかを決めたり、何時に登り始めるかなどを決めたりと色々なことができます。

ガーミン(Garmin)のGPS

登山用のGPSとして一番有名なのはガーミンのGPSかと思います。GPSMAP、オレゴン、eTrexシリーズが日本の地図にも対応しており、日本高精密地形図TOPO10M Plusの地図が有名です。無料の地図もありますが、ただの地形図であり、登山道も書かれていないため、これらの地図なしの状態はあまりおすすめできません。

TOPO10M Plusは山と高原地図をベースにしているため、山と高原地図に載っている情報は一通り見ることができます。

ガーミンのオレゴン650での地図の見た目です。登山道でのナビ機能も使用できます。

電波がなくても通信ができるGarminのInReachがあれば最強です。

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2018.07.23 2018.08.13

無料の印刷用登山地図

印刷代はかかりますが、無料の地図は印刷用のもの、アプリのもの、両方あります。

YAMAP

YAMAPは無料の地図アプリとして有名ですが、PC版から印刷することもできます英語版も完備されているため、外国の人に紹介するならYAMAPがベストだと思います。

ダウンロード可能な地図は二種類あり、無料のバージョンは比較的シンプルな地図のみです。有料版は年間4,800円(または月480円)であるため、地図だけを考えれば山と高原地図の方が良いと思います。現在はヤマレコに代わるSNSとしての機能を重視しているようなので、SNS的なものにも興味があればYAMAPのプレミアム版を検討するのも良いかもしれません。

トップページから左上の「地図」を選択するか、目的の山がある場合には山の名前を検索しましょう。

個別の山ページから地図がダウンロードできます。右側の「地図をダウンロード」のボタンを押します。

下の方の無料地図の「ダウンロード」ボタンを押すと地図のダウンロードが始まります。この画像を印刷すれば完了です。なお、画像は印刷用なので、スマホで持って行く場合には専用アプリをダウンロードしましょう。

鹿島槍ヶ岳の無料地図です。シンプルな地図ですが、山荘や危険地帯、水場、コースタイムなど、欲しい情報は揃っています。

コンビニで印刷

紙版の地図を使いたいけどプリンタがないという人には「ヤマタイムマップ」がベストだと思います。見やすく色付けされたフルカラーの登山用地図がセブンイレブン(280円)とファミリーマート(300円)で印刷することができます。地図は店内にあるマルチコピー機から印刷できます。

ヤマタイムマップのサンプル地図です(尾瀬と谷川岳)。印刷サイズはA3サイズです。

ヤマケイオンライン

ヤマケイオンラインは山と渓谷社が運営する登山に関するオンラインメディアとして最大級の規模を誇るメディアです。

この中のヤマタイムが地図の印刷等に対応しています。なお、印刷には無料の会員登録が必要です。

無料の登山用地図アプリ

AppStoreやGoogle Playストアを探してみるとたくさんのアプリがみつかりますが、おすすめはYAMAPヤマレコMAPです。ヤマレコに投稿したい人であればヤマレコMAPはオススメですが、ただ地図として使いたければYAMAPの方がカバー範囲も広くオススメです。

どちらのアプリとも事前に地図をダウンロードしておくことができ、登山中に圏外になっても継続して閲覧できるようになっています。これらのアプリはとても人気があり、多くの人が利用しています。

行きたい山を選択して、「地図」ボタンから地図をダウンロードできます。圏外でも閲覧でき、GPSで現在地も分かります。

印刷用の無料地図同様、地図はシンプルです。必要最低限の情報は網羅されています。ただ、登山の計画をするにはちょっと物足りなく感じるかもしれません。

私の場合、基本的には見やすい山と高原地図派ですが、山と高原地図がカバーしていないような山域ではYAMAPを使用しています。

他の地図サービスでは載っていないようなマイナーな山(例えば佐賀にある三百名山の経ケ岳)はYAMAPが活躍します。

それぞれのメリットとデメリット

紙版の地図、アプリ、GPSはどれが最高というものではなく、状況にあわせて使い分けるのが賢い方法だと思います。

紙版のメリットとデメリット

◎ 電池切れの心配がない

アプリやGPSとの最大の違いはこの点です。紙は電池切れの心配がありません。長期の場合には特に有効です。

◎ 一覧性が高い

広げると全体が見渡せます。特にGPS端末の場合、画面が小さいため、全体を俯瞰するのには向いていません。

○ 軽い

山と高原地図はしっかりした紙で作られていますが、電子機器と比較すればやはり紙の地図の方が軽いのは間違いありません。ただ、アプリの場合にはスマホは緊急連絡用にも持ち歩くことを考えると、重さが増えないアプリの方が優れているとも言えます。

なお、地域の地図がすべて入っているような書籍版の地図の場合は逆に重さがデメリットになります。

△ 現在地が分かりづらい

山座同定の技術があれば地図とコンパスで現在地を特定できますが、見通しが悪いとそれもできません。また、山座同定を間違うリスクもあるため、この点ではアプリやGPSには敵いません。

△ 暗くなると見づらい

ヘッドランプだと地図に反射しやすく明らかにスマホやGPSの画面より見づらくなります。

△ 高い

ヘッドランプだと地図に反射しやすく明らかにスマホやGPSの画面より見づらくなります。

× 天候が悪いと見るのが大変

スマホが防水に対応していなければ状況は変わりませんが、雨だと見るのが大変、かつ風が強い場合には吹き飛ばされる可能性もあります。個人的に紙で一番恐れているのは風による紛失です

× 通勤中などに見るのが難しい

人によってはデメリットではありませんが、個人的には通勤等の移動時間に計画を立てることが多いため、スマホで見られるアプリ版の地図が計画には一番役に立ちます。Googleマップ等で登山口までの時間等も調べるため、スマホで完結するのは助かります。

地図アプリのメリットとデメリット

◎ 現在地が分かる

現在のスマホのGPSは精度が十分に高いため、ほぼ正確な現在地が分かります。特に冬山でホワイトアウトしたときなどは本当に助かります。

○ 忘れる可能性が低い

スマホを忘れる可能性は地図を忘れる可能性より明らかに小さいと思います。特に移動にスマホを使う人であれば絶対に忘れないでしょう。

○ いつでも地図が見られる

通勤中や休憩時間にも地図が見られます。どこに行こうか地図から探す場合には複数の地図を行ったり来たりするため、そういった時にはアプリ版が最適です。

○ いつでも買える

24時間いつでもその場で買えます。Amazonで宅配してもらうより便利です。

○ 大量に持ち歩ける

特に地図をまたぐようなところを縦走するときなどに威力を発揮します。山小屋などで山の話をするときなどにも地味に地図が欲しくなることがあるため、そういったときにも便利です。

○ 紛失の心配がない

スマホを紛失しても新しいスマホから改めてデータはダウンロード可能です。私は紙をなくしやすいため、個人的には大きなメリットです。

○ 暗くなっても見やすい

 バックライトがあるため、暗くても問題なく見られます。テントの中で翌日のルートを確認するときなどにも活躍します。

○ 経済的

無料のYAMAPのほか、山と高原地図も紙版の半分の値段で購入できます。スマホを常用しているのであれば、紙と比べて経済的なのは間違いありません。

× 寒いと動かない

これが一番難しいところです。スマホは寒さに弱いため、-10度を下回るあたりから動作が怪しくなります。カイロで温めたり、体で温めたりと使う方法はありますが、冬のアルプスや八ヶ岳の稜線で風が強くなるとどうしようもなくなります。

× 電池切れ、故障・紛失対策が必要

本来的には緊急連絡用の通信機器としての意味合いの方が強いため、紙の地図があろうとなかろうと電池切れ対策は必須だと思っています。ただ、地図もスマホに依存する場合には絶対に壊れてしまっては困るため、モバイルバッテリーを持って行く、予備のスマホを持って行くという対策は必須だと思います。

私の場合、昔使用していたスマホをジップロックに入れて予備用として持って行くようにしています。

× 画面が小さい

目が悪い方だと地味にこれが一番きついかもしれません。ご高齢の方だとiPadで地図を見ている人も時々みかけます。さすがに重そうですが頻繁に見なければ悪くないかもしれません。

× 比較的最新のスマホが必要

大して重い処理をしているわけではありませんが、3年以上前の古い機種だと動作が緩慢に感じるかもしれません。

GPSのメリット・デメリット

概ねアプリとかぶるため、GPS特有のメリット・デメリットを挙げたいと思います。

◎ 寒さや破損に強い

-20度程度であれば問題なく使用できます。また、落として割れる可能性はスマホよりだいぶ小さいです。

○ 手袋をしていても操作ができる

オーバーグローブをする環境ではタッチ操作ができないため、手袋をしていても動かせるGPSは助かります。ただ、最近のGPSはタッチパネル式が増えてきたため、あまりメリットとは言えないかもしれません。

○ 精度が高い

スマホも最新のものは十分に精度が高いですが、専用機はやはり安定しています。

× 高い

地図専用機に最低数万円払うのはやっぱり躊躇します。

× 重い

小型機であってもそれなりに厚みと重量感があります。

おすすめの地図の使い分け方

やはりメインはアプリにするのがオススメです。現在地が分かるのは最大のメリットです。遭難リスクはこれだけでかなり低減できます。ただ、故障や電池がなくなるリスクがあるため、モバイルバッテリーを持ち歩くのも必須です。複数人で行くときは予備的な意味でも全員アプリを入れるべきです。単独行であればスマホの予備も持っていきたいところです。

長期間の縦走の場合、印刷した地図をジップロックに入れて持って行くのもオススメです。あくまでも最悪の予備用ですが、絶対にみられる保険があるのは精神的にも助かります。ちなみに、コンパスと必ずセットで持っていきましょう。

冬山に登る場合にはGPSの使用をおすすめします。私も積雪期はスマホだけでなく、GPSを必ず携行します。特にバックカントリースキーをするような場合にはGPSはほぼマストだと思います。冬山に登らない場合でも、バリエーションルートを登る場合や沢登りをする場合にも活躍します。いずれにしても夏山の一般登山ルート以外にも興味が出始めてから検討すれば十分かと思います。

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