マイカーで登山をする人にとって、一番かかる費用のひとつが高速代。ソロ、かつ、平日に登山をする人だと結構ばかにならない金額になります。土日であれば休日割引があるため、土日派にはあまり関係ないかもしれませんが、私が気をつけている高速道路での節約方法を紹介したいと思います。
目次
深夜割引を有効活用しよう!
現在、割引で一番お得になっているのは深夜割引です。対象となる路線を0時から 4時の間に利用すると、その対象路線の高速代が 3割引になります。
まず、この時間の適用関係については公式の図が一番わかりやすいのでこちらを確認してください。
よくあるケースで適用関係を確認してみましょう。
夜に出発して登山口で車中泊する場合は?
高速道路の料金所を出るのが 0時(24時)を過ぎている場合には深夜割引が適用されます。そのため、あと少しで 24時になるような場合などはサービスエリアで休憩してから降りるようにすると得する場合があります。
登山を終えて、夜に帰ってくる場合も同じです。
夜に出発してサービスエリアで車中泊する場合は?
深夜割引が適用されます。高速道路にいる時間が 0時から 4時のどこかにかかっていれば良いため、例えば、21時頃に高速道路に乗り、5時に高速道路を出たとしても、対象時間中に高速道路上にいるため、深夜割引が適用されます。
朝に出発する場合は?
対象となる路線の料金所を 4時までに通過した場合に深夜割引が適用されます。路線によって判断対象となる料金所が変わるため、注意が必要です。
通過する対象の料金所に注意!
以上のように時間については特に難しいところもありませんが、地味に悩ましいのが通過する料金所です。路線ごとに対象となる料金所を示します。
中央自動車道
八王子料金所が基準となる料金所です。三鷹(高井戸)料金所ではありません。
例えば、北アルプスを登るために、松本まで向かう場合に、三鷹の料金所を 3:55 に通過し、八王子の料金所を 4:40 に通過したとします。
この場合、八王子までの区間のみが深夜割引の対象となり、八王子-松本間は深夜割引の対象外となります。両方とも同じ中央道のため、一番勘違いしやすいポイントだと思います。
関越自動車道
新座料金所が基準となる料金所です。
東京外環自動車道からくる場合も、判断基準はあくまでも新座料金所です。発想としては、中央道の三鷹から八王子までの間と同じであり、外環道の IC 通過時刻は外環道の割引の判断基準にのみ使用されます。
東北自動車道
浦和料金所が基準となる料金所です。
東京外環自動車道を経由する場合や首都高速を経由する場合も判断基準は浦和料金所です。
東名高速道路
東京料金所が基準となる料金所です。
首都高速を経由する場合も判断基準は東京料金所です。
常磐自動車道
三郷料金所が基準となる料金所です。
東京外環自動車道を経由する場合や首都高速を経由する場合も判断基準は常磐道の三郷料金所です。
東京外環自動車道
入口料金所が基準となる料金所です。
なお、関越自動車道・東北自動車道・常磐自動車道に接続する場合でも、その区間の割引は各道路の入口料金所が基準となります。
圏央道
入口料金所が基準となる料金所です。中央自動車道・関越自動車道・東北自動車道・東名高速道路・常磐自動車道の各道路と接続する場合には、圏央道の入口料金所で通過した時刻が適用されます。
但し、途中で首都高速などの対象外路線を通過すると改めて対象路線の基準となる料金所で割引の判断が行われますので、都心を通過する場合には注意が必要です。
可能性があるパターンとしては、神奈川の人が北関東や東北の山に行くような場合などがわかりやすいと思います。例えば、東名の秦野中井 IC から出発して、日光(宇都宮)まで行こうとした場合に首都高速経由で東北自動車道を使う場合には、秦野中井を 3:55 に通過したとしても、深夜割引が適用されるのは東名高速道路部分のみとなります。東北自動車道部分の割引の判断は、浦和料金所の通過時刻で判断されます。
他方、海老名から圏央道経由に切り替えると、秦野中井から宇都宮までの区間が深夜割引の対象となります。これは結構大きな違いになるため、注意が必要です。
深夜割引と関係ない路線
そもそも深夜割引が適用されない路線もあります。下記の路線は深夜割引が適用されないため、その後に対象路線に乗り継ぐ場合であっても、これらの路線の料金所の通過時間は関係ありません。
- 首都高速道路
- 京葉道路
- 第三京浜道路
- 横浜新道
- 横浜横須賀道路
例えば、京葉道路の市川 IC から首都高速を経由して中央道に入ったとした場合、料金所は「錦糸町」「三鷹」「八王子」の各料金所を通過することになります。三鷹までの区間は首都高速になり、三鷹・八王子区間が中央道の大都市部区間、八王子より先が中央道の普通区間になるため、三鷹の通過時刻が三鷹・八王子区間の割引対象判断基準に、そして八王子の通過時刻が八王子以降の割引対象判断基準に使用されます。
深夜割引と休日割引の違いは?
土日派の人には深夜割引は関係ないと思われがちですが、実は違います。下記のいわゆる東京近郊区間が割引の対象外となります。
先ほどの例で挙げた、秦野中井から宇都宮の場合には東名厚木から圏央道を経由して東北加須までが東京近郊区間として割引対象外となるため、通常料金 5,810円に対し、休日割引の場合には 5,090円、深夜割引の場合には 4,070円と 1,000円近い差が出てきます。
ただ、練馬から関越道に乗る場合などは、300円程度の金額差しか出ないため、圏央道などの影響する区間が長い路線を使用する場合に気をつけると良いと思います。
高速道路を使用しない場合でも所要時間が変わらない場合も!?
割引以外の節約手段としてはそもそも高速道路を使用しないという方法もあります。正確には一部の区間をショートカットするような場合ですね。行く山によっては意外と有効です。
例えば、群馬県の赤城山に行く場合、関越自動車道の赤城 PA のスマート IC が最寄りとなりますが、北関東自動車道の伊勢崎 IC で降りても所要時間的にはほとんど変わりません。料金的には練馬からの通常料金で 250円変わるため、こちらのルートの方が得になったりします。
特に冬の場合、スキー・スノボー等の需要で関越自動車道は混み合うことが多いため、このようなショートカットを使用した方が時間的にも早くなることも少なくありません。
ルートの探し方
一番わかりやすいのは Google マップで紹介される場合です。渋滞している場合などは迂回路として下道をショートカットするルートが紹介されることがあります。
ただ、なかなかそのような紹介がされることは少ないため、渋滞部分などをショートカットできそうな場所を経由地として追加してみるとどの程度時間が変わるのかが分かります。例えば、尾瀬から帰るときに沼田付近が渋滞している場合、赤城山付近の道路を経由地として追加してみると結果的にはそちらの方が早く出るようなことがあります。
ショートカットしやすい場所としては、北関東付近と白馬などの長野県上部、南アルプスの西側などが経験上狙い目です。
まとめ
以上、高速道路代金の節約方法を紹介しました。私は中央道を使用することが多く、いつも割引対象が高井戸だったか八王子だったか不安になって調べ直すことが少なくないため、整理のために記事にしてみました。
ちなみに、私の場合。下山時刻が 15時を過ぎるような場合に深夜割引の適用を意識しはじめます。
このような場合、温泉に入ってから出発しようとすると、18時以降に高速に乗ることが多くなります。松本近辺から帰るとして、中央道に乗る場合、冬以外はまず間違いなく 1時間以上の渋滞が予想され、東京の自宅には 22時過ぎになるため、渋滞でつらい思いをするぐらいなら先に温泉で仮眠して、夕食を食べてから出発することがあります。夏休みなどの時期は遅い時間でも渋滞していることもありますが、そこまで長くなく、また、仮眠後なので眠気と戦うことなく運転に集中することができます。
いずれにしても、毎週山に登るような人だとそれなりの金額差になるため、考えていなかった人は一度シミュレーションしてみると良いかもしれません。