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【前穂・奥穂】1日目・上高地から岳沢小屋へ

データリスト
日程
2015年7月中旬(2泊3日・岳沢小屋・涸沢、共にテント泊)
天気
晴れ
コースタイム
2時間 30分(3.9km)
実測タイム
1時間 50分
タイム乖離率
88%
装備
夏山テント泊装備(70L・20kg)、要ヘルメット
交通手段
自動車・沢渡駐車場(有料)

急に決まった三連休。ゆっくり寝てから出ても間に合うところということでストックしておいた岳沢からの奥穂高岳に決定し、急遽荷物をまとめて沢渡入りした。朝は混む沢渡もお昼すぎにもなると観光客がそこそこいる程度で登山者は皆無。テント泊の大きな荷物を抱えながら、バスに揺られて上高地へ。すっかり夏模様の上高地の観光客の間を縫って、岳沢へと向かう。

上高地から岳沢小屋へ

河童橋の手前の橋を渡り、自然探勝路を北に進む。河童橋付近よりは人は少ないが、トレッキングを楽しむ人と多くすれ違う。川沿いの道から見える川と樹と穂高の取り合わせは上高地ならではの景色であり、これから山を登ろうとする者であってもつい惹かれてしまう。

前穂高登山道

岳沢の登山口に入るといつもの山の静けさが帰ってくる。苔むした緑が美しい登山道をゆっくりと岳沢に向けて上がっていく。穂高というと急峻な岩場のイメージが強いが、上高地側から上がるところは気持ちの良い樹林帯となっている。

途中には岳沢名物の天然クーラーがあって、ほてった身体を癒すのにちょうど良い。ただ、容赦のない冷たさのため、冷やしすぎには注意が必要だ。

ただでさえ短い岳沢小屋への道は、重い荷物を持っているといえども、1日目の出だしということもあってすぐに到着してしまった。盛夏ほどではないだろうが、テント場もその多くが埋まっており、にぎわっていた。周りの人と話していると、半数以上は前穂高に登って帰るようだ。このルートに来て前穂高しか登らないという選択肢があったことに驚いた。常々、登山で楽しいのは縦走や周回などのロングコースと思っているが少数派のようだ。おかげで縦走ルートは空いていることが多いので喜ばしいことではあるが、縦走の楽しさ、縦走路から見る稜線の美しさを知ってしまうともったいない、と、つい思ってしまう。

誤算

実は、出発前は岳沢小屋から天狗沢を登って天狗のコルからジャンダルムを経由して奥穂高岳に登る予定であった。岳沢小屋が見えてきたあたりで天狗沢もそれなりに見えてくるが、どうもおかしい。雪が多い。遅い時期まで雪が残りやすいということは把握していたが、まさか7月でもアイゼン、ピッケルが必須になるとは思いもしていなかった。失敗した。

とはいえ、アイゼン、ピッケルもなしに急登の雪渓を登るほど無謀ではない。さっさと諦めて前穂高経由で登ることに決めた。問題はジャンダルムに行くとすると時間がかなり厳しいことぐらいか。幸運なことに、ルート上のどの小屋もこの時期であれば営業しているわけであるから行ってから決めれば良いだろうとビールを飲み、星を見ながら眠りにつく。

(一日目了)

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