いくつかの山域では登山口まで車で入ることができず、公共のバスやタクシーを使用しなくてはならないところがあります。もちろん、その区間は歩くことはできますが、大体は林道を片道数時間歩くことになるため、バスを利用する人がほとんどです。
これらは多くの場合「マイカー規制」と呼ばれています。通年規制されているところがほとんどではありますが、紅葉などのハイシーズンのみ規制がかかっているようなところもあります。
目次
マイカー規制の目的
マイカー規制の目的は、酷い交通渋滞を避けること、そして自然環境を保護するためです。今日ではマイカー規制は登山者中心に広く知られ、そして理解も得られていると思います。
マイカー規制に関して知っておくべきこと
マイカー規制が行われている山域に行こうとする場合、以下のようなことを頭に入れておくと良いと思います。
ハイシーズンは早朝から混雑する
三連休の初日などは始発のバスの数時間前から列ができ始めます。特にアルプスは早い時間から登りはじめたい登山者が多く集まるため、注意が必要です。過去の同時期のヤマレコをチェックするなどして安全な時間を確認しておきましょう。
直前に来て車すら駐められず、途方にくれるひとを毎年多く見かけます。
始発を逃すと1時間以上待つこともある
登山者が多いと臨時バスが出るものの、バスの台数には限りがあります。すべて出払ってしまうとそのバスが戻ってくるまで身動きが取れなくなります。場合によっては1時間以上待ちぼうけをくらうこともあります。ちなみに、観光客もよく来るようなところだと日中は数時間待ちになることも普通にあります。
駐車場すらもとても混んでいる
特に週末が顕著ですが、駐車場はバス停の近くから埋まっていきます。そして、最後には停められなくなります。三連休の中日などは特に微妙で前日からの泊まり客の車も相まって激しい争奪戦になることもしばしばです。もし夜のうちに移動できるようであれば深夜までに到着し、車中泊をするのが一番安全です。
ちなみに、人気の山の紅葉時期などは深夜についてもまともなところに駐められないことすらあります。
大体のバスはチケットを購入しておく前払い制
周りの人をよく観察しておけば問題ありませんが、多くのバスは券売機等で事前に購入することがほとんどです。直前だと列が長く間に合わなくなることもあるため、時間には余裕を持って行動しましょう。
マイカー規制は登山口を選べば回避できる
マイカー規制がされている多くの登山口は人気のあるコースです。一般的に、人気のコースは山頂までの距離が近い傾向があるように思います。長いコースであればマイカー規制がないこともよくあります。大体は登山口が山頂をはさんで反対側であったり、遠く離れていたりすることがほとんどですが、静かな登山を楽しみたければ十分検討する価値があると思います。
マイカー規制のある山域
都道府県 | 地域 | 主な山 | 期間 |
---|---|---|---|
北海道 | 知床 | 羅臼岳 | 通年 |
岩手県 | 北上 | 早池峰山 | 6月中旬から8月上旬までの毎週末及び祭日 |
秋田県 | 水沢 | 秋田駒ケ岳 | ・6月から10月末までの毎週末及び祭日 ・6月中旬から8月下旬までの平日 |
福島県・群馬県・新潟県 | 尾瀬 | 至仏山・燧ケ岳 | 通年 |
山梨県・静岡県 | 富士 | 富士山 | 7月上旬から9月上旬までの毎日 |
山梨県・長野県 | 南アルプス | 北岳・間ノ岳・仙丈ケ岳 | 通年 |
長野県 | 上高地・北アルプス | 穂高岳・槍ヶ岳・霞沢岳 | 通年 |
長野県 | 中央アルプス | 木曽駒ケ岳・宝剣岳 | 通年 |
長野県・岐阜県 | 乗鞍 | 乗鞍岳 | 通年 |
富山県 | 北アルプス | 立山 | 通年 |