- 日程
- 2015年8月中旬(1泊2日・農鳥小屋キャンプ場
- 天気
- 晴れ
- コースタイム
- 7時間 55分(12.8km)
- 実測タイム
- 5時間 26分
- タイム乖離率
- 62%
- 装備
- 夏山軽量テント泊装備(60L・15kg)
- 交通手段
- 自動車・奈良田登山者用駐車場(無料)
夕方には曇ってしまった空も、夜からはすっかりと晴れ、夜には綺麗な星空が広がっていた。この日はビビィ泊であったため、長い時間横になったまま空を眺め続けていた。8月中旬という最盛期であっても、北アルプスとは違い、南アルプスの縦走路にあるテント場は人も多くなく、とても静かだった。きれいな朝焼けを見ながらゆっくりと片付けを行い、ヘッドランプが不要になるぐらいの明るさになって、西農鳥岳に向け出発した。
農鳥小屋から西農鳥岳へ
西農鳥岳は小屋からもよく見える。高低差はそれなりにあるものの、道は歩きやすく、特に急であることを感じることもなかった。振り返れば広くて大きい間ノ岳が見える。風は強かったが、朝のウォーミングアップとしてはちょうど良い道だった。
山頂まであがるとまた北岳が見えてくる。そして反対側には農鳥岳に塩見岳、遠くに深南部の山々が見えてくる。遠くまで見渡せるこの早朝の時間に最高の場所を歩けることは、縦走ならではのメリットだろう。
西農鳥岳から農鳥岳へ
農鳥岳への道はあまりアップダウンもないトラバースの道を行く。農鳥岳は少し東側にあるため、北岳が少しずつ見えてくるところが面白い。
そして、山頂。今回の縦走の最後のピークだ。ここまで来ると北岳もだいぶ小さくなってくるため、それなりに歩いてきたことを実感できる。進行方向の深南部はいよいよ迫力を増してくる。
農鳥岳から大門沢下降点へ
農鳥岳から大門沢下降点への下りも稜線は広く快適に歩くことができる。東側に高い山がなくなるため、富士山がよく見える。
稜線からの下りでも視界を遮るものはなく、天空を歩いているような気分を味わえる。高度を下げるにつれて深南部が見えなくなっていくのは少し寂しくもある。下降点のあるコルの部分は広く、鐘があるところが目印となる。ここからは長い長い下りがはじまる。
大門沢下降点から大門沢小屋へ
大門沢下降点からは、ハイマツ帯のザレ場の道がはじまる。歩きにくくはないが、とても急な道が続く。ハイマツ帯は短く、周りの木々はどんどん高くなっていく。
針葉樹林帯に入るともう周りはほぼ何も見えない。ただただ慎重に急登の道を下る。眼下に沢が見えてきたら大門沢への道も半分を過ぎた頃だ。
沢の音を聞きながらの道が続いたあとは、丸太橋が出てくる。丸太橋を越えればあと15分もすれば大門沢小屋だ。
大門沢小屋から奈良田へ
大門沢小屋からは沢沿いの爽やかな道が続く。ここまででもかなり高度を下げてきているが、まだまだここからも長い。丸太橋を越えて、トラバースが続いた後、八丁坂を一気に下る。
八丁坂の先も沢沿いの道が続く。吊り橋が出てきたら終わりは近い。
林道に出てからは奈良田まで約1時間、砂利道を歩く。
山行を終えて
1日目は午後から微妙な天気となってしまったが、夜には素晴らしい夜空と 2日目は快晴の山歩きを堪能できた。1日目に農鳥小屋まで行ければ1泊2日で問題ない道ではあるが、奈良田までの下りはかなり長いため、不安が残るようであれば北岳で1泊、大門沢小屋で1泊の 2泊3日が無難だろう。間ノ岳から先はマイナーな道ではあるものの、変わりゆく北岳の姿の変化が楽しめたり、深南部の雄大な景色も楽しめるため、天気さえよければかなり満足度の高い山行になるだろう。
しかもこのルートの良いところは帰りのバスを気にしなくても良いところ。奈良田・広河原間のバスは混むため、片道だけで済むのは地味に嬉しい。
- 景色
- 水場が豊富
- 整備された小屋の多さ
- 状況に応じたルート選択ができる
- 概ね安全なコース
- 広河原付近の混雑
- 長い下り