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【白馬三山】1日目・大雪渓を登り白馬岳へ

データリスト
日程
2016年5月下旬(1泊2日・白馬山荘)
天気
曇り(稜線より上は晴れ)
コースタイム
6時間 15分(6.7km)
実測タイム
5時間 10分
タイム乖離率
87%
装備
春秋小屋泊装備+アイゼン(40L・10kg)
交通手段
自動車・猿倉駐車場(無料)

今回の白馬岳への登山は、実は今月2度目である。ゴールデンウィークに同じルートを登ったものの、風が非常に強く、大雪渓では這いつくばらないと飛ばされるほどの強さであった。大雪渓を登りきったところで実際に突風で数メートル飛ばされたため、安全を期して小雪渓の手前で引き返した。今回はそのリベンジだ。

猿倉荘から白馬尻山荘へ

八方の交差点を猿倉方向に進み、そのまま道なりに進むと自然と猿倉の村営駐車場に到着する。駐車場から出発し、走ってきた林道をそのまま上がると、数分程度で猿倉荘に到着する。猿倉荘の目の前は小さな広場になっており、バスだとここまで来られる。

夏には人であふれかえる猿倉もこの時期はまだ人が少ない。中途半端な時期ということもあり、ゴールデンウィークのときよりもさらに少ない。ゴールデンウィークには登山指導をしていた人も今日はいない。静かな猿倉荘を横目に、すぐ脇にある登山道から登山を開始する。

はじめはよくある土で適度な傾斜の斜面を進む。少し上がるとすぐに砂利状の道に変わる。これを延々と道に沿って進む。途中に道に沿わないで入れそうなところもあるが間違いである。あくまでも道に沿って進む。

途中左手に道標があり、そこが白馬鑓温泉への分岐となっている。そこまで目立つものではないため、こちらに行く人は留意が必要である。

つまらない道を進むと、途中に滝と白馬岳が見える。これがここでのハイライトだ。

林道終点に到着するとようやく登山道らしくなってくる。登山道を進むと程なく雪渓がはじまる。雪渓をそのまま進むと白馬尻山荘に到着する。道はあるようでない場所なので踏み抜かないように道なりに進むと良いだろう。

白馬尻山荘から大雪渓を登る

ウォーミングアップを終えて、ここからがこのルートの本番だ。白馬の大雪渓は著名であり、毎年多くの人が登っている。この日も韓国からの団体ツアーがきていたようだ。

白馬の大雪渓は先述の通り今月2度目である。2度目ということもあり、思うことは本当につまらないということだけだ。富士山と同じようなつまらなさである。目の前の道は常にほぼ変わらない。そして長い。ただ、時折振り返ってみる反対側の景色は良い。実際に歩いて行くと、少しずつ標高をあげっていけていることが分かる。ただ、後ろを振り返らずにはいられないほどのつまらないところとも言えるかもしれない。とにかくトレーニングと割り切って我慢が必要である。

なお、天気が良く、落石のおそれも少なそうなときはただつまらないと思うだけで良いが、天気や足場の悪いときには十分に注意が必要な場所であることは忘れてはいけない。ジグザグに歩いていると時折端の方にまで行ってしまうことがあるかもしれない。通常は端に行けば行くほど落石にあたる可能性が高まるため、なるべく端まで行かずコンパクトにジグザグを切るようにしたい。

ひたすら登り続け、岩の露出しているところまでくると岩室跡。大雪渓のゴールだ。

小雪渓を白馬頂上山荘へ

大雪渓は岩室跡で終わり、そこからは小雪渓だ。小雪渓から避難小屋までは一番斜度がきつい。時期によってはまだ雪で埋まっているため悩ましいが、上部に行けば行くほど斜度がきつくなるため、雪渓を歩くのが難しくなる。そのため、歩きやすそうであれば雪のない登山道部分を歩いた方が良いだろう。

小雪渓が終わり、避難小屋を過ぎると斜度がゆるくなるため、少しは楽ができるようになる。上がって行く方向は向かって右の方向だ。道が出ていない場合には少しわかりづらいので注意が必要だ。大雪渓と同じく、端に寄り過ぎず、中心付近の歩きやすそうなところを進むのがおすすめだ。

右にカーブした後、登る途中で振り返ると杓子岳と鑓ヶ岳の全貌が見えてくる。このあたりからやっと楽しくなってくる。

登りきった左手に見えるのが白馬頂上山荘だ。あれ?頂上じゃないじゃん。おそらく多くの人が心の中でツッコむであろうことを思いながら、頂上に向かって歩みを進める。なお、頂上山荘は夏季期間のみの営業のため、当時は開いていなかった。少し登ると全体が見えるが、こちらもそれなりに大きい山小屋だ。さすがは白馬である。

かの有名な白馬山荘へ

白馬頂上山荘からさらに15分程度進むと白馬山荘だ。小雪渓からは白馬頂上山荘側に登り、そのまま稜線に出るのが通常のルートだ。当時は雪が多かったため、直登して稜線までショートカットした。

稜線にあがると白馬山荘と剱岳が見えてくる。苦労した甲斐があったと思える瞬間である。景色が良ければ疲れが吹き飛ぶ。広い稜線を気持ちよく登るともうそこは白馬山荘だ。

白馬岳の頂上までは15分程度。荷物も置いて上がれるため、かなり気軽な感じで登れる。一度休んでから登るのも良いだろう。ただ、夕陽が見られそうな天気であれば、ぜひヘッドランプを持って夕陽を見に行って欲しい。日の出と日の入りを特等席で見られるのは泊まった者だけの特権だ。

山頂からは後立山の縦走路もきれいに見える。この日は鹿島鑓ヶ岳まで見えていた。ここからは2日程度かかるが最高の縦走路だ。

山頂から見る夕陽

白馬岳から見る夕陽は美しかった。広がる雲海。雲海に沈む夕陽。夕陽に照らされる北アルプス。あっという間の1時間であった。私も、私以外にもいた1グループの人も泣いていた。自然と涙が出るほどの夕陽に出合えることは少ない。この日に白馬に来られたことを感謝しつつ、人も少なく快適な小屋でゆっくりとした時間を過ごした。

この日の寝室部は、左右に小部屋状になった場所であった。1.5畳程度の大きさではあるが、個別スペースになっているのはとてもありがたい。

(一日目了)

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