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登山・クライミング用語集 – ヤマペディア:ら行


ランニング

中間支点の別称。


レッドポイント

レッドポイントとは、クライミングにおいて、あるルートを2回目以降の登攀ではじめて完登した場合における、当該ルートについてのクライミングの結果をいう。

通常はロープクライミングでのみ使用される用語である。トップロープクライミングでも使用されることはあるが、基本的にはリードクライミングで使用される用語である。

プロテクションとの関係

厳密にはクイックドローを含むプロテクションを自分でセットして完登した場合を指すものとされているが、クイックドローを事前にセットした場合でもレッドポイントとすることが多いようである。インドアクライミングでは、クイックドローが予めセットされているため一意に定まりやすい。

関連項目

  • 完登
  • オンサイト
  • フラッシュ
  • ピンクポイント

ロープ

ロープとは、クライミングや登山等の高所からの落下の危険性がある運動において、その落下を防止することを目的として使用される繊維をより合わせた紐状のものをいう。用途に応じて、大きく分けてスタティックロープ、セミスタティックロープ、ダイナミックロープのいずれかが使用される。

各ロープの違い

ロープ自体が伸びるか伸びないかという点が一番大きく異なる点である。ダイナミックロープは伸びるロープであり、落下時にロープ自体も伸びることで衝撃を吸収し、身体へのダメージを最小限にする。他方、スタティックロープは伸びないロープであり、クライミングで使用すると落ちた衝撃が身体に直接的に伝わることとなるため、特に落ちることが頻繁であるフリークライミングでは、まず使用することはない。

とすると登山やクライミングで使用するのであればダイナミックロープが万能なように思えるが、ルートに固定するフィックスロープなどは手でつかんで登るため、伸びないスタティックロープの方が扱いやすかったりもするので用途次第である。

ちなみに、一般的にはダイナミックロープの方がスタティックロープよりも値段が高いことが多い。

クライミングで使用されるロープの種類

クライミングでは墜落時の確保がロープを使用する主目的となるため、ダイナミックロープが使用される。これらは登山用品店等で購入できるが、下記の3種類があり、目的によって購入するロープや長さを分けるのが通常である。

なお、クライミングで使用するためのロープは、安全性が確認されているUIAAの規格に適合したロープを使用すべきである。

シングルロープ

1本で使用することが前提とされるロープである。フリークライミングを中心に使用される。クライミングジムにかかっているロープ等はほぼ間違いなくこのシングルロープである。テープの末端にUIAAの表記とともに「1」と書かれているものである。

ロープの一方の末端をクライマーのハーネスに結びつけ(主流はダブルフィギュアエイト)、他方をビレイヤーが保持する形で使用される。

太さは 9mm から 11mm ほどのものがクライミングでは使用されるが、どの太さを使用するべきかは以下のメリット・デメリットを踏まえ判断すべきである。

一般的には 10mm 程度のロープが万能と言われているように思う。

ロープ径の相違によるメリット・デメリット

以下はあくまでも同じ性能のロープで複数の径があった場合の傾向を示すものであるため、メーカーやブランドを超えて検討する場合には必ずしもこの傾向通りにはならないことがあるので注意されたい。

墜落時の衝撃

太い方が衝撃を吸収しやすいため、墜落時の安全性に優れている。

重さ

細い方が軽く、持ち運びに優れている。

扱いやすさ

細い方がしなやかで扱いやすい。

滑り

太い方が摩擦が大きく、滑りにくい。操作面では滑りが良いことはメリットとなるが、安全面では滑りが良いことは墜落時の距離の増加に繋がるため、デメリットとなりやすい。

耐久性(耐摩耗性)

太い方が耐久性が高く、より多くの墜落回数に耐えられ、また、岩角などへのロープのこすれにも強く、安全性およびコストパフォーマンスに優れている。

ハーフロープ

2本で使用することが前提とされるロープである。ダブルロープとも呼ばれる。アイスクライミングやアルパインクライミングを中心に使用される。テープの末端にUIAAの表記とともに「1/2」と書かれているものである。

ハーフロープを使用するメリット

特にアルパインクライミングではルートが複雑になることが多く、シングルロープではロープの流れが悪くなりがちであるため、ロープを2本に分け、ロープの流れが悪くならないように工夫することができる。

また、懸垂下降時にシングルロープでは折り返して使用する必要があるため、60mロープであれば半分の 30m しか下降できないが、ハーフロープの場合には2本で使用しているため、60m 下降することができ、下降ルート選択の幅が広がり、時間の短縮にもつながる。

さらに、ロープが2本になることで運搬時に半分ずつ持つことができることもメリットである。

なお、一般的には、ハーフロープは2本で衝撃に耐えることが前提となるため、シングルロープと比較して径も細く、その分軽くなっている。そのため、重量的にはシングルロープと大きくは変わらない。

ツインロープ

ハーフロープと同様に、2本で使用することが前提とされるロープである。マルチピッチクライミングを中心に使用される。日本では沢登りにも使用されることが少なくないようである。テープの末端にUIAAの表記とともに丸が二つ書かれているものである。

3種類の中では一番径が小さく、軽量である。

ハーフロープとの違い

ハーフロープはひとつの中間支点に片方のロープだけをかけることが通常であるが、ツインロープの場合にはシングルロープ同様、両方のロープを同じカラビナにかけて使用する点が大きく異なる。

ツインロープのメリット

軽量であるため、アイスクライミングであったり、マルチピッチクライミングのように重量を最小化したい場合に向いている。