GarminのInReachシリーズで最小となるGarmin InReach miniが2018年10月4日に発売されました。気になるのはInReach Explorer+とminiとの違いではないでしょうか。
何が一緒で何が違うのか、そして購入する場合にはどのような基準でどちらを選ぶべきかをまとめたいと思います。
目次
スペックを比較する
まずは一通りの仕様面を比較してみましょう。
Explorer+ | mini | |
---|---|---|
コミュニケーション | ○ | ○ |
SOS | ○ | ○ |
天気予報 | ○ | ○ |
内蔵地図 | ○ | × |
気圧高度計 | ○ | × |
コンパス | ○ | × |
カメラ | × | × |
文字入力 | 正面の矢印ボタン | 端末側面のボタン |
解像度(px) | 200 x 265 | 128 x 128 |
ディスプレイ | 半透過型カラーTFT | 半透過型メモリーインピクセル(MIP)ディスプレイ |
対応言語 | 英語 | 英語 |
サイズ | 6.8 x 16.4 x 3.8 cm | 5.17 x 9.90 x 2.61 cm |
重量 | 213g | 100g |
防水 | IPX7 | IPX7 |
動作温度範囲 | -20〜60度 | -20〜60度 |
バッテリー(デフォルト設定) | 100時間 | 50時間 |
インターフェース | micro USB | micro USB |
カラー | オレンジのみ | 黒またはオレンジの2種類 |
定価 | 54,800円 | 37,800円 |
コミュニケーション機能とSOSはほぼ一緒
SMS/Mail/Facebook/Twitter/MapShareなどを使用したコミュニケーション機能は同じです。もちろん、コミュニケーションやSOSを使用するには両方とも衛星通信契約が必要です。
プリセットメッセージであればボタンが少ないminiでも快適に操作できます。逆に文字をminiで打つのは可能ですが、非常に面倒くさいようです。ボタンが少ないから仕方ないですね。
ただ、Explorer+/miniともスマートフォンとペアリングすることでスマホから入力することができます。そのため、実用上はほぼ問題ないと思われます。
サイズや重さはminiが半分以下
重要は半分以下。100gというのは少し前の機種 iPhone SE/5/5s などのいわゆる小型の端末が 110g 前後であるため、それよりもさらに軽いぐらいです。厚さと高さは約2/3のため、だいぶすっきりします。同じくガーミンが出しているGPS端末 eTrex30 とほぼ同じようなサイズ感です。
以下の記事で比較した写真を撮影しているのでサイズ感の参考になるかと思います。
地図や高度計・コンパスはExplorer+のみ
おそらくこの点が一番大きいと思いますが、miniは地図が付いていないため、地図としてのGPSを代替するものにはなりません。ただ、ロギングやトラッキングはできるため、緯度経度を記録する、MapShareに投稿し自分や家族が見るという用途には使用できます。あくまでも登山中に、miniの画面で地図が見られないということです。
高度計やコンパスはスマホや登山用の時計にも付いているため、そこまで問題にはならないかと思います。
スマホアプリ「EarthMate」を使用すれば地図は見られる
Explorer+で見られる地図は、ガーミンが出している iOS/Android 向けアプリ「EarthMate」で世界中の登山用地図が無料でダウンロードできます。これはGarmin InReachユーザーの特典です。Explorer+/mini、どちらであっても利用できます。
GPSの値はInReachとペアリングしている限りInReachのGPSが受信した緯度経度を利用できるため、スマートフォンよりも精度の高い数値が得られやすくなっています。
そのため、スマホで地図が見られれば良ければ、このデメリットはだいぶ小さくなります。
バッテリーはExplorer+が1.5-2倍持つ
Explorer+は液晶サイズが2倍近くあるため、バッテリーはそこまで変わらないかとも思われましたが、通常モードで約2倍、節約モードで約1.5倍Explorer+の方が長時間使用できます。
ただ、miniでも2分間隔のロギングでも最大50時間持つことを考えると、1日10時間行動したとしても、5日間持つことになるため、通常の縦走程度であれば充電しなくても問題のないレベルです。
防水・動作温度・充電用端子の形状は同じ
両者とも、防水はIPX7相当(水深1mの静水に30分間入れても動作)、-20度から60度まで動作します。また、数値上の比較はできませんが、両者とも衝撃には強く、ケース等がなくても少し落としたぐらいではまったく問題ありません。
充電は少し前の Android で多くみられた microUSB です。今でも安価に入手しやすいケーブルです。
価格はminiの方がだいぶ安い
両方ともギアとしては高い部類になりますが、Explore+は54,800円と mini の 37,800円の約1.5倍します。この差は小さくありません。
どちらを買うべきか?
比較から分かったのは、miniの多くの機能はスマホを活用することで穴埋めが可能です。そのため、スマホが利用できる環境であればminiでもほぼ問題ないでしょう。
スマホの利用が不安になる環境は冬山です。冬山では-20度以下になることも少なくなく、現在地を確認したいときにスマホの電池が入らないという状況は普通にあります。
そのため、地図を見るためのGPS端末としても冬山で活用したいということであれば、Explore+がおすすめです。あえて普通のGPS端末と2台持ちする必要もありません。ただ、すでに地図用のGPS端末を持っているようであればむしろminiの方が良いでしょう。miniとGPSを両方持ち歩いてもExplore+1台分の重さとほぼ変わらないはずです。miniは雨蓋に入れて、GPSは取り出しやすいポケットに入れるなど、柔軟な使い方が可能になります。
まとめ
まとめると下記のようになるかと思います。
Explore+がおすすめな人 ➔ 地図用のGPS端末を持っておらず、地図を含めて冬山で活用したいと考えている人
miniがおすすめな人 ➔ それ以外すべて
夏山だけなら軽くて、小さくて、安いminiで十分です。私がExplorer+を購入した時はminiがなかったためExplorer+を購入しましたが、私の場合にはeTrex30も所有しているため、今の状況ならminiを選んだと思います。
ただ、eTrex30よりも画面は圧倒的に見やすく冬用グローブでも操作しやすいため、後悔は特にありません。地図機能を重視するならやはり大きい画面は正義です。