北岳・白峰三山/1日目カバー写真

【北岳・白峰三山】1日目・アルプスで一番高い場所、北岳へ

データリスト
日程
2015年8月中旬(1泊2日・農鳥小屋キャンプ場
天気
晴れ
コースタイム
10時間 0分(10.6km)
実測タイム
7時間 17分
タイム乖離率
66%
装備
夏山軽量テント泊装備(60L・15kg)
交通手段
自動車・奈良田登山者用駐車場(無料)

はじめて登ったアルプスは鳳凰三山だった。薬師岳から見た北岳の迫力は今も忘れられない。「すごい」、自然と声が出た。それ以来いつか登りたいと思い続けてきた北岳。やっと週末に良い天気の日がきた。行くしかない。しかし、夏山シーズン真っ盛り。混雑は避けられない。会社帰りにそのまま奈良田に向かい、車中泊することにした。

奈良田からバスで広河原へ

最盛期の奈良田の朝は早い。4時台にはバスを待つ長い行列ができている。広河原から遠い27台の駐車場の方がバスに乗るときには有利になる。だが、深夜にはすでに埋まっていることが予想されるため、人によっては歩いて27台側に向かう人もいる。

参考リンク: 奈良田駐車場案内

バスは他の林道バスと異なり、詰め込むだけ詰め込む。運が良いと座れる可能性がある、という具合だ。45分ほど我慢するとひらけた広河原に到着する。北沢峠に行くにはここからさらに乗り換えられるようになっている。

ここから川沿いに歩くと北岳の登山口だ。

広河原から白根御池小屋分岐へ

舗装路を川沿いに進み、吊り橋で川を渡る。すぐに広河原山荘があり、その左側の登山道を登る。白根御池小屋分岐までの混雑は避けられないだろう。登山道自体は歩きやすい土と石の登山道だ。

白根御池小屋分岐から白根御池小屋へ

最短ルートが一番人気となるため、白根御池小屋方面へ進路を取ると一気に人が少なくなる。登山道自体はここまでと大きく変わらない。ただ、急登ではあるため、ペース配分には注意したい。途中にはベンチもある。

急登を終えて、左に曲がる。ここからは小屋までトラバースが続く。気持ちの良い、深い森の中を歩く。

白根御池小屋から草スベリを登る

草スベリからの北岳

白根御池小屋から少し進むと草スベリへの分岐が見つかる。ここから稜線までが一番長く苦しいエリアになるだろう。途中樹林帯に入るが、基本的には日にさらされる歩きが続くため、ここからは日差し対策を忘れないようにしたい。

途中ベンチもなく、癒しがあるとすれば振り返って見る鳳凰三山ぐらいだろうか。とりあえず修行と割り切って無心で進もう。

草スベリからの鳳凰三山



小太郎尾根分岐から北岳肩の小屋へ

稜線からの北岳

ここからが北岳。つらい時間を耐えた分、北岳の姿と気持ちの良い稜線歩きがより一層の感動を与えてくれる。肩の小屋までの道は高原を歩いているかのような穏やかな道だ。
ここからは仙丈ケ岳や中央アルプスも見えてくる。

稜線から仙丈ケ岳

30分ほど歩くと北岳の肩に着く。北岳の肩は意外にも広い。休む場所としても良いだろう。

北岳の肩の看板

北岳肩の小屋から北岳山頂へ

北岳山頂を目指す

肩の小屋の左端をすり抜け、山頂に向かう。肩の小屋までと同じような道をひたすら上がる。岩のうえまで上がると山頂が見える。山頂が見えたらあと少し。

山頂は広い。ベンチもある。看板もいっぱいある。天気がよければぜひゆっくりと山頂を満喫してほしい。

北岳山頂の看板

北岳山頂から北岳山荘へ下る

北岳山荘方向の稜線

北岳を越えると縦走路が見えてくる。手前が中白根山で奥が間ノ岳。ここから一度大きく下る。こちら側の方が岩場感が強くなるので注意が必要だ。

コルまで降りると八本場のコル方向への分岐になっている。縦走路は稜線上をまっすぐ進む。途中から北岳山荘方向への登山道がふたつに分かれるがどちらを進んでも問題ない。両方とも北岳山荘にたどり着く。ただ、下の方が確実に山荘にぶつかるため、ガスがひどい時などは早めに下の道に入っておくと良いだろう。

北岳山荘から中白根山へ

中白根山山頂

中白根山への道は北岳への登りと同じような歩きやすい道が続く。高低差も小さいため、難なく登れるだろう。天気がよければ北岳と間ノ岳をともに大迫力で楽しめる。

中白根山から間ノ岳へ

中白根山から間ノ岳山頂

間ノ岳への道も大して変わらない。歩きやすい縦走路が続く。間ノ岳の山頂も広い。

間ノ岳山頂

間ノ岳から農鳥小屋へ

間ノ岳から農鳥小屋方面を行く

間ノ岳から農鳥小屋へは一気に高度を下げる。間ノ岳山頂は広いので標識等で方向をよく確認してから進みたい。途中にはケルンもある。下りがはじまると岩が大きくなってくるため、これまでと雰囲気が変わる。特に難しいわけでもないので、浮石に気をつけ、ペイントをよく見ながら進もう。

コルまで下り、平らな場所の奥に農鳥小屋が見えてくる。色々な意味で有名な農鳥小屋。小屋泊まりをする場合には相応の覚悟をしておこう。テント場は広く、平らで快適だ。テント泊は非常におすすめできる。

農鳥小屋のテント場

1日目を終えて

農鳥小屋テント場からのパノラマ

広河原からここまではそれなりに高低差もあり、距離も短くない。北岳付近は泊まれるところも多く、選択肢が豊富にあるので、体力等に応じて検討して見ると良いだろう。
農鳥小屋のテント場は山だけでなく、下まで見える。この日は雲が多く、下界を見ることは叶わなかったが、素晴らしい雲海や美しい日の出を見ることができた。星もよく見える。人が多いのも間ノ岳までなので、写真を撮る人や静かなテント泊をしたい人にはおすすめだ。

(1日目了)

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